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雲は2時間前に触れていた空気かも…


大気の中で、水蒸気のやりとりはいろいろな形態がある。雲ができたあとに、雨を降らさずに消えてしまったら、それは雲粒が再び水蒸気になってしまったことを意味する。雨も蒸発して空気を冷やしながら空中の水蒸気量を増やす。絹雲は氷の粒だが、落下しながら蒸発し、蒸発したところで水蒸気量を増やす。

しかし、元を正せば、水蒸気は地表面や海の表面・川面や湖面で供給される。低いところの空気は上空の空気よりも一般にたくさんの水蒸気を含んでいる。大気中の水蒸気は主として地球の表面で供給されていると言っていいだろう。

雲の種類にもよるが、積雲や積乱雲は対流性の雲と言われる。地上付近の空気が何かの理由で持ちあがると、凝結熱を出してさらに上昇する。それが循環をより強くしてさらに空気を持ち上げる。そうした仕組みでできている。

こうしたことを考えあわせると、空にポッコリ浮かんでいる積雲は、ちょっと前には地上のすぐ近くにあった空気でできている可能性が高い。もしかしたら、あなたが2時間前に触れた空気が、今では真上で積雲になっているかもしれない。私達が上空にいくのは難しいが、空気にはそれができる可能性があるのである。




日付:  2004/11/5
カテゴリ: 気象の豆知識
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