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木洩れ日と地球と太陽


地学実験で、木洩れ日(or 木漏れ日)が地面に映っている様子の話をした。

通常、科学的な話は、観察(あるいは観測)→仮説→検証というプロセスを経て、本当のことであると認められる。木洩れ日についても、そのようなプロセスをたどることができる。

観察:

◯ 丸い
◯ 大きさが場所(木の高さ)によって違う
◯ 明るさが様々である


仮説:

  葉のすき間がピンホールの役目をして、ちょうどピンホールカメラのように、太陽の像が地面に写っているのである。


検証:

◯太陽の大きさと地球と太陽の距離との比が、木の高さと木洩れ日の大きさの比に概ね対応している。
◯日食のときには、木洩れ日の形は丸くなく、欠けた太陽の形をしている。


検証の方法は沢山ある。沢山の検証実験を通して、真実であると認められる。その一方で、検証実験をしっかりやると、仮説が十分ではないことが発見されることも多い。そこで、再び、観察を増やし、新たな仮説をたて、そして、再び検証する。

こうして科学は発展していく。気象学の発展も、このような考え方に基づいている。

[追記:11/05] この話は担当している地学実験でも用いた。該当する地学実験については、地学実験2004年後期第一週の試料を参照して下さい。




日付:  2004/10/22
カテゴリ: 気象の豆知識
本記事のURLは: http://www.meteorology.jp/XOOPS/modules/xfsection/article.php?articleid=38